『可能性』探求のラボ→究極の生産性向上!R&Dルーム設立
2017年。
SHIFTでは、ソフトウェアテスト事業を軸に品質管理の可能性を広げるべく多様な企業を仲間に加え、様々なサービス展開を模索する一方、新たな可能性、事業に繋がる『何か』を見つけるための特殊な組織『チームR&D』が組織されました。
このメンバーたちが使用する『R&Dルーム』の記録です。
◼︎R&Dってそもそも…から考える
丹下
『Research and Development』。
技術を研究開発するのではなくて、『次の何か』を手にするための組織って事で、ホントに何にもないところからスタートしたなぁ。
山梨
R&Dってそもそも…っていうところから考え直しましたからね。
SHIFTは新技術を研究したり開発する必要があるのか?いや、『技術』を先に追っちゃダメ、『技術』は何かの役に立って、結果が出て初めて意味(利益)が出ることが多い。
それより『利益』を中心に置いて、『利益を生むための技術』ってなんだろう、それを追い求めるための実験場がまず必要じゃないか、って結論になりました。
丹下
ウチは『企業』だからねw!
でも、『企業が利益を得るには』っていうのとはちょっと違って『テスト業務における利益を得るには』を軸に考察してみようってことになった。
山梨
テスト業務にとっての利益とは何か?いかに早く、いかに細かく、いかにたくさん見つけられるか。しかも効率よく、ミスなく、分かりやすく。
その為には、テストマイスターの体調や動機、環境や設備の掛け算が成果=利益になるという道筋を立てました。
SHIFTでは初期の段階から、TP制(テストポイント)による出来高制や、標準化など、テスト業務に対する価値を向上させるべく様々な施作をしてきました。
今回はそれらを方向性をもって組み込んで『利益の可能性』を探求していく場所を作っていくことになります。
山梨
優秀なテストマイスターになると、平均の6倍の効率化ができますからね。
丹下
まさに職人!!年収1000万のテストマイスターがいるべきだよねっていってたねw。
山梨
もはや、『テストマスター』の域ですね
丹下
例えると、F-1級のドライバーライセンスとれる人には、普通自動車の運転だけではなくF-1ドライバーになってもらいたくて。テスト業務も一緒。
テストスキルのある人が、均一化した環境ではなくそれぞれの特性に合わせた環境でテストしてもらうと、どこまで効率が上がるのかが知りたかった。
◼︎一見するとテストをする部屋には見えない仕上がりですが…
通常の執務エリアとは別に、社内に隔離した専用スペースをつくり、作業効率を上げるために様々な方法をとり入れました。
環境面では、集中できる室温、作業効率を意識した工学設計の椅子、外乱を遮断する個室型の机、4台のレイアウト自在なモニタ等を調達。他にも脳波や、視線、バイタルデータなどを収集し、フィードバックを反映できるようにしました。
山梨
仕上がったときは正直、振り切ってる!ってびっくりしましたが、ストイックに未知の領域にとり組んでいくのってSHIFT的だと感じました。
丹下
形から入るのも大事だと思うんだよね。ちょっとSFっぽい雰囲気にしたのもテンション上げてほしくてw。
◼︎探求してみてわかってきたこと
大手企業の品質保証責任者として2年常駐していた経験と知識をもとに、標準化のロジックをまとめ、反映、共有していくと標準化のメリット、その先の展開も見えてきました。
丹下
あくまで一つの方法論でしかないので、人によって捉え方は変わるかもしれないけど、実際にいろいろトライしてきたからこそ見えてきたものはあるよね。
山梨
標準化で成果が出るのはだいたい5割まで、そこから先は個人の個性に依存する部分が伸びしろになっているなぁっていうのはありましたね。
丹下
標準化って義務教育みたいなもんだよね。知識の地盤固め。
山梨
地盤が固まってからは順番を決めてスキルアップするのではなく、個人の特性やモチベーションに合わせた技術、例えばテストケース特化型、アドホック特化型、マネジメント特化型など得意なものを伸ばして成長を促すのが有効かな、と。
丹下
スペシャリストだよね。宇宙飛行士や船団と一緒で、得意なことを突き詰めた人はそれだけで貴重!!
山梨
全てを成長させないことも大事なのかな、と。業務の幅を持たせることだけが成長につながるわけでもないって。
知識はある種の毒、大人が飲んで美味しくても子供には毒なものがあるように適切な前提条件で取り入れるのであれば別だけど、なんでも取り込んでしまうと弊害になることもあるわけで。
丹下
興味が薄いことをおぼえてもらおうとしても結果あんまり吸収されないことが多いが、逆に得意なことは自分で工夫して極めていくからね。知識より知恵!
山梨
開発の知識よりも、経験を元にした状況把握能力が役立つことが多分にありますもんね。
丹下
頭痛のメカニズムはわかんないけど何やったら頭痛になるかはわかる、みたいなw。
山梨
実際、業務時間8時間のうち、テスト実行している時間よりも、仕様書や原因究明の調査にかかっている時間の方がはるかに多いんですよね。個別のスピード感よりもミスなく慎重に効率よく進めていった方が、いい結果を出していると。
そこで標準化の視点を持ってるからこそ認識のズレが早くわかるようになる。結果、手戻りやミスが減り効率が良くなるんです。
◼︎小学校の社会科見学
SHIFTでは、社外のお客様以外にも将来活躍していく子ども達を対象に、これまでさまざまな「体験イベント」を設けていますが、小学生児童を対象にした、ソフトウェアの品質の大切さやソフトウェアの品質保証・テストという仕事を体験しながら学んでもらうというイベント「ヒンシツ小学校」でも、R&Dルームは人気を博しました。
山梨
最近の小学生はアプリやプログラミングに対する理解や意識が高くてビックリしました。
丹下
未来のエンジニアさんやテストマイスターさんに希望をもってもらえたらいいね。
山梨
いまはまだAIやRPAよりも達人の技術や勘の方が優れているところはあるし、応用も効くと思うのでまだまだ発展途上ですね。
テストの仕事と一口にいってもスピードや効率を追求したり、チームで仕事をするために設計や管理を追求したり、新しい技術を使ったテストを模索したり、適性を見抜いて適所にアサインしたりとさまざまです。
でも、それはすべて安心安全なソフトウェアを市場に届けるために欠かせないものであり、SHIFTの永遠の研究開発対象です!
2019/11/1 記