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NPO法人 バンゲリングベイ

 

精神的な弱さを克服する為に、格闘技の世界へ

丹下:ご出身はどちらですか?

新田:東京の杉並ですが、両親は奄美大島です。

丹下:東京なんですね。年齢が1コ違いで、同世代ですよね。格闘技はいつから始められたのですか?

新田:高校2年生からです。当時は格闘技ブームではなかったので、始める人というのはコンプレックスなど何かしら精神的な理由があり、今のようにブームだからやりたいと気軽に行ける状況ではなく、敷居が高かったので、「格闘技やっているの?」と一歩引かれるような感じでした。僕も入る時に自分で、精神的な弱さを克服したいというところから入っていきました。

丹下:格闘家というと勝手に空手のイメージを持ってしまいますが、やはり空手なんですか?

新田:僕は最初に空手から入りました。

丹下:極真とかですか?

新田:そうですね。極真系ですね。

丹下:昔、大山倍達さんをビデオで見たことがあります。

新田:大山さん世代なので、ニコラス・ペタスさんにもすごい憧れがあって、知り合えたときは本当に嬉しかったです。今は兄弟のようにしていただいて、自分にとってこの上ない幸せです。

丹下:高校生の頃に空手を始められて、ボクシングもやられていたんですか?

新田:ボクシングはやっていないです。高校を出てから、キックボクシングをプロでやろうと思いました。試合で結果を残したいというのは全くなくて、ただ単純に自己満足で自分が強くなったと思えたらいいというぐらいでした。

★ Dreamerのプロフィール
出身地 東京都杉並区
生年月日 1973年7月23日
学歴
略歴 初代ニュージャパンキックボクシング連盟ミドル級チャンピオン
第8代全日本キックボクシング連盟ミドル級チャンピオン
初代IKUSA U70 戦王
WKAムエタイ世界スーパーウェルター級チャンピオン
第2代UKF世界ミドル級チャンピオン
趣味 読書(自分の好きなところ、自分に取り入れたいところのみ)
音楽鑑賞(好きなフレーズのみ、同じ曲)
その他 恵比寿のZESTで格闘技&エンターテインメント『SMOKERS』を定期開催しています。


☆ 会社概要
企業理念 同名のキックボクシングジムの活動に加えて、格闘技を中心としたスポーツの安全システムの振興、選手特性を生かした職業スキルの習得、教育、防犯など社会に貢献する非営利運動を行う。
社名 NPO法人 バンゲリングベイ
代表者 新田 明臣
設立 2007 年冬
住所 東京都渋谷区恵比寿4-22-8グロリアスマンション3F
TEL 03-6905-6573
FAX 03-6905-6574
URL http://www.bungelingbay.com/
たまたま出た最初の大会で全部一本勝ちして優勝したんですよ。これはちょっと才能があるなと思って。

丹下:すごいですね!思いますよね!その時の勝因はなんだったんですか?

新田:結構、ローキックが強かったんです。

丹下:その時にはもう自分の中で目指していたものにはなれていたんですか?

新田:自己満足ですね。高校を出る時に進路をどうするかとなって、3年間ずっと高校まで寝に行っていたので、大学には行けないし。でも、高校の学校案内に出ているということが自分でちょっと誇りなんですよ。

丹下:今ですか?すごいですね。学校の英雄ですね。

新田:はい(笑) 



『グラップラー刃牙』(格闘漫画)との出会い

丹下:プロを目指すと決めた瞬間ってどんな感じだったんですか?

新田:卒業後の進路は最初、空手やりますと言ったんですが、空手ではメシ食えないだろうと言われ、自分でもアイデアがありませんでした。それならプロの格闘家になりますと適当に言って、そこから『グラップラー刃牙』(格闘漫画)のモデルになっている平直行さんと知り合うことができ、初めて後楽園ホールにその人の試合を観に行きました。入場が華やかで、初めて観た試合が刃牙のモデルの平さんで良かったです。やはり華やかだったので、やりたいなと本気で目指そうと思ったんですね。

丹下:なるほど。その頃プロは食べていける世界だったんですか?

新田:ではないです。当時格闘技のプロになろうと思っている子なんて、そういうことをたぶん全く考えてないです。だからある意味純粋で計算がないんですよ、みんな。

全日本ミドル級でタイトル奪取、人との出会いが人生の転換期

丹下:人生の転換期というのは、いつ頃訪れましたか?

新田:チャンピオンになって、いろんなタイトルを取り出してからです。少しずつ人と出会えるようになって、お金には繋がらないですけど、人との出会いが一番ですかね。格闘技もどんどんブームになっていったので、その波に乗ってここまで来たという感じです。ブームでなかったら、未だにフリーターと一緒ですからね。
丹下:全日本で優勝されたのはおいくつですか?

新田:全日本のミドル級タイトルを取ったのは27歳です。

丹下:それまで、ひたすらストイックに試合を?

新田:そうですね、数はけっこうやりました。


限界まで追い込む、逆に運動神経が悪くなる

丹下:体を壊すこともありましたか?

新田:ケガとの闘いでした。スポーツ選手はみんな同じですよ。

丹下:野球やサッカーよりも危ない感じですよね。

新田:危険であることには変わりないと思います。ボクシングやK-1というのは顔を叩きあうので、脳に直接ダメージがあるというところは他のスポーツとは明らかに違うところになりますが。足や手、体のケガはサッカーなども同じようにひどいです。スポーツ選手だからみんな運動神経とかもすごいと思うかも知れないですけど、こっちはもう限界まで追い込むから、逆に運動神経は悪くなってくるんです。ある程度いってMAXまでいったら消耗していく感じなんです。

丹下:そうなんですか、初めて聞きました。

新田:元スポーツ選手の方が年配になると、足を引きずっていたりしますよね。

丹下:ありますね、そういうことなんですね。
新田:みんな現役の一番活躍している時しか見ないから、わからないと思うんです。引退後の就職など大変な事は全スポーツ共通であるので、そういう部分で少しでも業界の意識を変えていきたいです。周りの社会的な意識もそうですけど。格闘技でトップを目指すなら、それだけの代償もあるということを最初から踏まえた上で、もっと価値のある格闘技界にしていきたいと思います。


意識が変われば、景色が変わる

丹下:壁に書いてある『意識が変われば、景色が変わる』という言葉はいつ頃考えられたものなんですか?



新田:格闘クリニックという、格闘家を集めてセミナーをやられている極真出身の二重作(ふたえさく)先生というお医者様と一緒に思いついたものです。


新田:ケガで悩まされ、K-1でまた復活したいと相談してトレーニングをしているときでした。
今の自分の見る視点を変えるだけで、格闘技をやっているからこの人はちょっと違うとか、この人は有名だから凄いとかではなくて、もともとみんな同じ人間なんだと、対等に見られるようになるということです。それによって、すべての場面において自分の見方が、見る景色が変わってくる、環境も自然に変わってくるんです。格闘技の業界にしか今までいなかったので、以前は街でスーツを着て歩いている人を見るだけで、コンプレックスになっていたんですよ。

丹下:え~!

新田:ただ自分がそういう見方をしている限りは対等になれないし、こういう会話が成り立たないんです。

新田:同じ人なのだと思った時点で初めて、胸を張って同じ目線で話せるのではないかと思います。一言、二言でも言葉を交わすことができて、そこからやっと話せるようになる。その前に一歩引いてしまうと話すことすらなく、関わることがないので。

丹下:すごくいい言葉だと思い気になっていたんですよ。景色が変わるというのはいい言い方ですよね。


バンゲリングベイの夢
みんなが来てよかったと思える場。本質は全て同じだということに気づく場


丹下:バンゲリングベイの夢を聞かせていただけますか?
新田:子供から大人まで男女問わずみんながここへ来て、「ああ良かった」と思ってもらえるジムにしていきたいですね。
恵比寿でジムを始めて一番感じているのは、格闘技のジムなので思っている以上に敷居が高いと皆さんに思われているということです。サラリーマンの人が普通に仕事しているのと同じ感覚なので、一般の人たちが入りづらいと感じていることに気がついていなかったんです。
自分も15,6年前に最初に道場の門を叩くときに、すごく葛藤があり勇気が必要でした。踏み出す一歩が踏み出せなくて、ずっと葛藤していたのに、自分がその中に入ると慣れてしまって。人間はどんな時にも一瞬で慣れる生き物なんですよね。
物事は全部本当は本質的には同じなんだということを、このジムに来てくれる様々な人たちにジムを通じて「これは自分の仕事で言ったらこういう場面だな」という風にシンクロさせてもらって、職業や仕事、遊びに活かしてもらえる場にしていきたいと思っています。

丹下:格闘技を通じて本質を学んで欲しいということですね?

新田:極端な話、格闘技を自分がやっていたから格闘技。
本質って全部一緒だと思います。どんなことをやっていても、日常生活すべて、同じだと思うんです。交わす言葉の一言一言。ただ自分が気付かないだけで、本当は気がついて掘り下げていけば、全部同じなんだと。僕はたまたま格闘技をやっていて実績を作れたから、こうやって話す場があって、でも格闘技である必要は全くないんです。

丹下:その思いは珍しいですね。

新田:現役を辞めた時点で、格闘技への執着が全くなくなりました。
新田:現役選手であるうちは、格闘雑誌も見たし、すごく気になったんです。でも辞めた時点からパタッと興味なくなり、今どんな選手がいるか全く知らないんです。

丹下:えっ、そうなんですか!今はどういうことを考えているんですか?

新田:やはり格闘技を通じて、人生を学びたいと。自分が学びたいし、伝えたいです。

丹下:テーマは人生なんですね。

新田:人生なんです、常に。



格闘家は人生を考えるのに適している

新田:格闘技という究極のことをやっているからこそ、逆に人生の重みというのもわかるのかなと。
丹下:なるほど。

新田:引退試合ではリングアナをブラザートムさんにやってもらいました。トムさんが今でも飲んでいる時に『やっぱりすごいよね。試合終わって、すぐに一瞬で仲良くなれる格闘技っていいよね。』と言うんですよ。だけど、それはあくまでその時の自分の設定なんです。自分がそう思ってなくて試合直後に悔しい想いが先に来てしまったら、絶対に相手と本心でハグなんてできない。やっぱり人それぞれ設定が違うから、みんな違いますよと言ったんです。僕なんかは自分をどうやって教育していくかで闘っているんです。「何のために闘っているんだ?」という根っこの部分がなかったら常にお互い壊し合いでしかないんですよ。

丹下:そうですね。

新田:しかもお互い闘っているときはもう、相手のこと死んでもいいと思っているんですよ。早く倒れてと思って殴りあっている、そういう設定のもとでやりあう人間が人生について考えないことほど、もったいないことってないですよね。でも大半の人は流れに任せ、ブームなのでノリでやっているとこがあると思います。もちろんそれはそれで格闘技が繁栄するから、すごく有り難いし、選手が熱くなることは素晴らしいことだと思います。でもやはりこれだけのことをやっているのだから、闘う前に昔の武士じゃないですけど、自分の命について、人生について考えてほしいです。


過食症の話~湧いてくる衝動をパワーに変える~

丹下:一番苦しかった時ってどういう時でしたか?
新田:自分が一番悩んだ時に、頭でっかちなり過ぎて過食症になってしまったんです。頭だけで自分のことを全部コントロールできると思い、全部自分が決めた通りに練習して、これくらいできなきゃどうしようもないと思ってやっていたんです。

新田:でも、人間のエネルギーは本来、頭だけではコントロールできないんですよ。頭脳と身体、心のバランスなんです。人間はそれぐらいエネルギーを持っているのに、頭だけで考えて、自分は「これ位」と見積もっているだけなんです。僕はたまたまそれが食べることになってしまい、どうにも止まらず何でも死ぬぐらい食べ、このまま死ぬのだろうと思いました、本当に。

丹下:それはいつ頃ですか?

新田:ちょうどキックで何戦かして20歳くらいの頃です。一瞬治まって、また衝動がきて。でも衝動はエネルギーで、自分の体の中に、人間が本来待っている生きるためのものなんです。あぁ、これは自分の持つエネルギーとして感じてあげればいいんだと思ったときから、衝動に駆られたら逆にそれを腕立て伏せや懸垂などのトレーニングに転化することができ、一気にそこから復活してチャンピオンになっていきました。

丹下:なるほど!イメージ的にはきれいに流す感じですね。


上下の意識はない。学び学ばれるジムにしていきたい。柔らかい空気を作りだす

丹下:今後ですが、ジムがどんどん大きくなって教え子が増えていくのは、喜ばしいことですよね。

新田:もちろんです。自分が上で教えている先生、生徒という関係というよりも、自分も人に学ばせてもらっている姿勢でいたいですね。そこがずれていくとやっぱり上下の関係になりパワー関係になってしまうと思うんです。
丹下:なりますよね。

新田:それぞれの立場があって、立っている場所や物の見方も違うから、その中でお互いがどうやって楽しく仲良くいろんな価値観を築いていけるかということですね。

丹下:なるほど。教えるというよりもお互い学び合っているという、そんなイメージなんですね。

新田:そうですね。このジムでは良いことにいろんな職業の方が来られています。お互い見方や考え方が違うので、ミットをパンパンと打って、楽しみを共有できたり、価値観を少しでも分かり合える場ができるといいなと。



新田:本当に極端な話、ジムに来たけど、そこで立ち話をして明るくなって、そのまま帰っていく人がいてもいいなと、誰でも来られる気軽なジムにしたいですね。

丹下:そういう雰囲気があるというのは入りやすいですよね。
戦いのスイッチON・OFF

新田:やはり空気ですよね。空気でいかに闘いの雰囲気を出さないかって、すごく大事なことだと思います。

丹下:すごいですね。闘う場なのに。

新田:スイッチのON・OFFなので。できないと思っている選手は、試合の3週間とか1ヶ月前からそういう空気を出しています。そうするとみんながちょっと引いてしまうんです。僕も選手としてキャリアが無いうちは硬かったこともありましたが、後半はすごい自然体でいけました。今ここのジムは自然体で試合までいける選手が多いと思います。

丹下:そうですよね。柔らかいですよね。選手の人たちにはタイトルを獲ってほしいとかあるんですか?

新田:試合では活躍してほしいというのはもちろんあります。でも結果はやはりその選手の意識次第でどうにでもついてくるものだと思っているので、結果云々よりもその選手個人の人生が豊かになるような考え方を身につける場としてありたいです。強い選手というのは意識が育って自然発生するものだと思っているので、あとは僕が大きく見て、一人一人の良いところを伸ばせればいいなと思います。

個人の夢~自分の視野を広げる~

丹下:新田さん個人としての夢はどういうものですか?

新田:こういう風に自分で発言できるよう、意識を拡大していけるように大きく細かく自分の視野を広げていくことです。そうしたら勝手に物事はついてくると思うんです。一昨日も、曙とタッグ組んだんですよ。ハッスルで。曙と。
丹下:ハッスルで組んだんですか!?

新田:いいテンションを保っていれば、そういうのも勝手に自然に結果は後からついて来ると思うんです。自分の夢としてやりたいという想いがありましたし、こういうメディアに出たいというのも、全部そうです。


丸という思想

丹下:僕らからすると、新田さんはある種、頂点に立った人じゃないですか。そういう人はメンタルが一番重要だと思うんですけど、メンタルも含めて極めているじゃないですか。だけどさらに、その上を目指そうというのは本当にすごいですよね。よくわからない領域に僕は近いですけど。

新田:いや、そんなことはないと思います。逆に僕から言うと、やっぱり全く逆ですね。


丹下:まだ足りないということですか?

新田:そうではなくて、同じ位置にいるということです。でも上か下かという見方をしたら、パワーゲームになってしまいます。自分が誰よりも上か下ではないなと。地球はだから丸いんだなと最近よく思うんですよ。誰がどこにいても中心地点だから、だから地球なんだなと思うんです。

丹下:語録出ましたね!いいですね。

新田:いや、本当に。だから、丸く収めると言うし、円だし、縁だし、お金の円だって、円じゃないですか。

新田:だから全部、回すものなんだなと思って。

丹下:なるほど!

新田:みんな同じなんですよ。単純に立ち位置が違うだけだと思うんです。

丹下:なるほどですね。


自分を変えたい人へアドバイス。自分自身と常に向き合う

丹下:ドリマガを見ている人の中にも自分をどうにか変えていきたいと思っている人たちがいると思います。何かアドバイスをお願いします。
新田:自分自身と常に向き合うことですね。物事は何でも、自分が「そう」思うから「そう」であって、「そう」思わない、全く違うところから見ている人もいる。例えば、綺麗な女性がいたとして、洋服業界の人だったら、洋服を見ているかもしれない、美容師さんだったら、髪を見ているかもしれない。僕はただ見とれている。笑。全然、見る場所ってみんな違うんですよ。その人によって見ている視点が違うから、自分の見方だけをちょっと変えてみて、違う立場から見てみる。
その人の立場になれということではないんです。自分の視点を広げて、視野を拡大していくということは全ての始まりだと思います。僕はこんなこと言っていても、やっぱり選手であるうちは選手目線でしかものを見られなかったんです。でも自分が選手を辞めてから、急激に視野も広がっていて、やっぱり自分次第なんだと思います。

丹下:それができるようになると、実際は何が変わっていくのでしょうか?

新田:今まで見えなかったものが見えてくるので、人生が楽しくなります。視野が広がるということは、今まで邪魔が出てきたりして視界が狭まっていたものが、そういうのもひっくるめて、クリアになるということなので。クリアであることはすごく楽しいですよね。あらゆる事に対して先入観、思いこみなくニュートラルなので、可能性の扉が開けるんです。

心と体の表裏一体関係

丹下:視野を広げるということは、多くの人と接することによって得られるものなのでしょうか?
新田:そうですね。いかに人と接する機会を増やすかだと思います。

新田:こないだも結婚式で乾杯の挨拶をさせていただいて、その時にも言ったのですが、昔は結婚式に呼ばれても、元がネガティブなので、何でこんなに金ばっかり減っていくんだと思っていました。チャンピオンだからと呼ばれるんですよ。でもそうではなくて、乾杯する場に呼ばれるということは、それだけの気をもらえるということなのだと。みんな乾杯の場にはいい気しか持ってこないから、いかに自分が乾杯する場に、これからいっぱい行けるかということが人生のテーマだなと思います。乾杯の音頭をどれだけ取れるか。

丹下:なるほど!

新田:だからZESTへ食事に行っても毎回乾杯ばかりです。万歳して椅子の上に立って、いつも店員さんに止められて。毎回ですよ。乾杯ってやっぱり万歳じゃないですか。お手上げだし、逆にもう何でもいいよという受け入れる体勢だし。みんなの気持ちを自分の気持ちをいかに拓いていけるかですね。
丹下:いい言葉ですね!それいただきです。

新田:常に両方一緒なんですよ。お手上げというのも万歳も。良いこと悪いこと、ふたつでひとつなので。どちらもエネルギーとしていかに自分が転換していくかだと思うんです。悩んでいる人は逆だとわかった瞬間に全部ひっくり返ると思うんですよ。そういう力をつけていきたいなと思っています。

丹下:わかりました。すごいクリアにわかりました。本日はありがとうございました。

新田:こちらこそ、ありがとうございました。







 「意識が変われば、景色が変わる」、キックボクシングの頂点に立った人だからこそ、言える一言なのかも知れない。ビジネスの世界は、まだまだ甘いなっていつも思います。アスリートでは運動神経が無くなるほど極限まで追い込むのに。ご飯を食べれるのはほんの一握りだけ。新田さんには失礼だが、アスリートの方がここまで話が上手いとは思わなかったです。「上か下かという見方をしてしまうと、パワーゲームになってしまう。自分が誰よりも上か下ではない。地球って、だから丸いんだなと最近よく思うんですよ。誰がどこにいても中心地点だから、だから地球なんだなと思う。」新田語録は凄い。言葉に重みがある、最近マイブームなアメリカ次期大統領のオバマさんの「Yes We Can」を思い出した。実は、新田さんの格闘技ジムに、一時期通った事がある。そんな新田さんの周りには、いつも人と笑顔が絶えなかった。